Googleアナリティクスが大幅リニューアル! Web解析現場から伝えるGA4 -レポートとデータの出し方編-(Googleアナリティクス4)

たけおか

デザイナー/ディレクター たけおか

  • 公開日

    2021.02.26

  • 更新日

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Web解析現場から伝えるGA4 -レポートとデータの出し方編-(Googleアナリティクス4)

旧Googleアナリティクスから大きな変化を遂げた「Googleアナリティクス4(GA4)」。
これまではセッションを中心とした「ページ単位」の計測が用いられていましたが、GA4ではユーザー(顧客)単位に変更され、計測方法にも「イベント」が用いられています。

従来では解析しづらかった「ユーザー行動」を正しく理解できるため、より強力なWebマーケティング戦略に役立てられるでしょう。

しかし、GA4ではこれまでと違った目線での計測が必要になるほか、設定方法や数値の見方などが異なります。GA4を用いて効果的なWeb解析ができるよう、仕組みや設定方法を理解しておくことが重要です。

本記事では、GA4における「レポートとデータの出し方」について解析します。旧アナリティクスとの変更点も踏まえながら、具体的な手順を説明していきます。

目次

    GA4におけるレポートの変更点

    GA4より、レポートの表示が大幅にリニューアルされています。
    旧Googleアナリティクスでは、セッション単位のレポートが表示されており、KGIやKPIに関わるデータを 「カスタムレポート」で確認する方法が一般的でした。

    しかし、GA4にはカスタムレポートやビューがありません。「イベント単位」でデータを見るようになったことから、レポート構成も変更されています。
    GA4の標準レポートは、以下のような構成となっています。

    GA4のレポート構成
    集客 メディアや広告、キャンペーンなどの流入元データ
    エンゲージメント イベント数やユーザー数、ページやスクリーンごとの表示回数、コンバージョン数などのデータ
    収益化 カートの追加数、購入数などの収益データ
    維持率 リピート数やユーザーエンゲージメントなどのデータ
    ユーザー属性 年齢、性別、地域などの属性データ
    テクノロジー ブラウザやデバイス、プラットフォームなどのデータ
    コンバージョン コンバージョンを設定したイベントのデータ
    すべてのイベント 計測しているイベントすべての詳細データ
    分析 ユーザー属性や繊維経路などの分析データ

    ※旧GAにカスタムレポートのあたる機能

    旧GAでは、「ビュー」が集計レポートの役割を担っていましたが、GA4にはビューにあたる機能やカスタムレポートが存在しません。

    新しいGA4では、カスタムレポートが作成できないため、ユーザーを深堀するには、データポータルやTableauなどのBIツール(社内で蓄積されたデータを収集・分析し、意思決定をサポートするツール)を活用する必要があります。

    というのも、GA4には旧カスタムレポートに代わる「分析レポート」が存在しますが、定点的に各種数値を確認することはできません。より本格的に解析するには、BIツールに接続して自社に最適なレポートを作成する必要があるでしょう。

    BIツールを活用したレポートの作り方

    Googleが提供する無料のBIツールに「Googleデータポータル」があります。
    GA4では、Googleデータポータルを標準のデータソースとして取り込むことが可能です。
    具体的な手順は以下のとおりです。

    1. Googleデータポータルにログインする

    BIツールを活用したレポートの作り方1

    2. 画面左上の[+]をクリックし、[データソース]を選択する

    BIツールを活用したレポートの作り方2

    3. アナリティクス コネクタを選択する

    BIツールを活用したレポートの作り方3

    4. アカウントへのアクセスの許可が求められたら、[承認]を選択する
    5. アカウントを選択後、プロパティを選択する
    6. 画面右上の[接続]をクリックすると、フィールドパネルが表示され、データセットに接続します。

    BIツールを活用したレポートの作り方6

    GoogleデータポータルをGA4のデータソースとして接続することで、「フォールドパネル」が表示されます。ここでは、フィールドの変更や追加、データソースの設定などが可能になります。

    データ探索の使い方

    基本的な内容は「探索」を使用せずともダッシュボードから分析・比較できますが、その他の指標や各レポートをまとめたい場合には、「データ探索」を活用しましょう。

    「データ探索」では、ユーザーのページ遷移や経路、行動、思考など、より詳細な動向を計測したいときに適しています。ここでは、「データ探索」の使い方について解説します。

    まずは、GA4の画面左側のメニューより[探索]を選択します。
    新たに「空白」から作成する方法のほか、テンプレートギャラリーから作成する方法があります。ここでは、「空白」での使い方解説します。

    データ探索の使い方

    (1)変数の設定を行う

    変数の設定には、以下の4つの項目を設定できます。

    ・データ探索名
    ・カスタム
    ・セグメント
    ・ディメンション

    どのようなレポートを作成するかによって項目を選びます。

    データ探索の使い方1

    (2)タブの設定を行う

    次に「タブの設定」を行います。主な設定項目は、以下の7つとなります。

    ・手法
    ・ビジュアリゼーション
    ・セグメントの比較
    ・行
    ・列
    ・値
    ・フィルタ

    (1)で設定したディメンションと、指標の組み合わせを設定します。

    データ探索の使い方2

    (3)ページの追加

    基本的なレポート作成は手順(2)までで完了します。
    ページをさらに追加したい場合は、「+」をクリックして追加しましょう。

    データ探索の使い方3

    GA4のコンバージョン設定方法

    次に、GA4のコンバージョンの設定方法について解説します。
    計測には「イベント」と「パラメータ」の2つを活用します。

    (1)コンバージョン計測のためのイベントを作成する

    GA4のナビゲーションより、以下の設定を行います。

    コンバージョン計測のためのイベント作成1

    2. [作成]を選択すると、設定画面が表示される

    コンバージョン計測のためのイベント作成2

    3. [カスタムイベント名]を入力する
    4. [一致する条件]を入力する
    5. 任意で[パラメータ設定]内の[ソースイベントからパラメーターをコピー]にチェックを入れる
    6. 画面右上の[作成]をクリックする

    コンバージョン計測のためのイベント作成6

    7. ここではどのパラメータがどのデータを収集しているのか理解するために設定する必要があります。名称を変更したい場合は、[修正を追加]から設定できます

    (2)作成したイベントをコンバージョンに設定する

    (1)で作成したイベントは、作成してすぐは反映されない場合があります。表示まで30分~1時間ほど時間がかかることがあります。

    以下の手順でコンバージョンを設定します。

    1. [設定]>[イベント]に(1)で作成したイベントが表示されるのを待つ
    2. 画面右側の[コンバージョンとしてマークを付ける]を選択する

    作成したイベントをコンバージョンに設定

    GA4のアクセス分析方法

    GA4では、「データ探索」を用いることでユーザーのアクセス分析が可能です。
    ここでは、2つの視点からユーザーの分析手法をご紹介します。

    (1)経路の分析

    ユーザーの行動経路を詳しく分析できます。
    「ユーザー属性」や「テクノロジー」などのセグメントを追加すると、どのデバイスからアクセスがあるのか分析することも可能です。

    1. 画面左側のメニューより[探索]を選択する
    2. [経路データ探索]をクリックする

    経路の分析

    年齢や性別といったユーザー属性だけでなく、デバイスの種類やブランド、プラットフォームなど、流入元のユーザー情報を確認できます。ユーザー動向が売上に直接結びつくECサイトなどの分析にも効果的です。

    (2)各ユーザーの行動分析

    ユーザーそれぞれの詳細な行動を調べたい場合は、「ユーザーエクスプローラ」が便利です。これまでは、「どの人が何のページを見たか」といった個々の行動を分析できるレポートはありませんでした。

    新しくなったGA4では、ユーザーごとのアクションを見ることができ、どのような行動を取っているのかを可視化できます。

    1. 画面左側のメニューより[探索]を選択する
    2. 必要な探索データの[ユーザーエクスプローラー]を選択する

    各ユーザーの行動分析

    Cookie内に保存されている固有のIDによって、個々のユーザーを識別できます。この機能を活用することで、訪問回数が多いユーザーを把握したり、検討度合が高まったユーザーを分析したりできるようになります。

    ユーザ属性の表示方法

    GA4では、デフォルトで「ユーザー属性」が表示されません。
    ユーザー属性を表示するには、以下の手順で設定を行いましょう。

    1. 画面左側のメニューより[管理]を選択する
    2. [データ設定]の中の[データ収集]を選択する

    ユーザ属性の表示方法

    3. [Google シグナルのデータ収集]をオンにする

    ユーザ属性の表示方法3

    「Google シグナルのデータ収集」をオンにする際、ユーザーにその旨を伝え、承諾を得る必要があります。オンにすると、「このサイトはCookieでユーザーの情報を収集する」などといった内容がユーザー画面に表示されます。

    まとめ

    新しいGA4は、データ探索などの新機能により、高度なユーザー分析が可能です。ユーザー単位の流入経路や動向、属性などを細かく計測できるため、Web施策の改善に大いに役立てられるでしょう。

    ただし、旧GAには存在していたレポートの「ビュー」や「カスタムレポート」などの機能が無くなっているため、各種設定や数値を見る時には十分注意する必要があります。今回ご紹介した設定・分析方法を参考に、GA4活用によるWebマーケティングを強化しましょう。

    シスコムでは、次世代のアクセス解析プラットフォームであるGA4の導入・運用をサポートしています。G4Aを本格的に運用するには、データポータルなどのBIツールとの接続をはじめ、分析・改善を繰り返してPDCAサイクルを回すことが重要となります。「導入したものの、数値をどのように見ればよいか分からない」「自社に合った計測方法が分からない」という方に向けて無料相談も実施しておりますので、Web施策にお悩みの方はお気軽にお問合せください。

    たけおか

    この記事を書いた人 デザイナー/ディレクター たけおか

    デザイナー歴17年。もともと事務の仕事をしていたが、一念発起してデザイナーに転身。現在はディレクション担当。ユーザーの目線に立った効果の出るチラシづくりなどが得意で、クライアントとの打ち合わせでもユーザー目線に立った説明ができるのでリピーター率が高い。趣味は読書で、好きなフォントは『筑紫A丸ゴシック』と『DIN』。

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