クライアントからの「納得と信頼」を引き出す Web制作の提案書の作り方を解説!受注率を高める構成とポイント
- 公開日
2026.05.26
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Webサイトの新規制作やリニューアルの案件を獲得するためには、クライアントに提出する提案書が非常に重要な役割を果たします。提案書の内容次第で、自社の技術力や課題への理解度が伝わり、競合他社とのコンペティションを勝ち抜くことができるかが決まります。しかし、いざ提案書を作成しようとしても、どのような構成にすべきか、どのような情報を盛り込めばクライアントの心を動かせるのか悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Web制作の提案書を作成する目的から、受注率を高めるための具体的な構成要素や作成のポイントまでを詳しく解説します。
初めて提案書を作成する方や、これまでの提案書を見直して成約率を向上させたいディレクター・営業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Web制作の提案書とは?作成する目的
Web制作における提案書は、クライアントが抱える課題に対して、自社がどのようなWebサイトを提供し、どのように課題を解決できるのかを示す重要な資料です。クライアントとの契約前の段階で提出し、プロジェクトの方向性をすり合わせるために使用します。
提案書を適切に作成することで、クライアントは自社に依頼するメリットを具体的にイメージできるようになります。まずは、提案書が持つ役割や、よく似た言葉である企画書との違いについて整理します。
以下の表で、提案書と企画書の違いや、提案書を作成する主な目的を確認してください。
| 項目 | 提案書の特徴 | 企画書の特徴 | 作成する主な目的 |
|---|---|---|---|
| 提出する相手 | 外部のクライアント | 社内の決裁者や関係者 | クライアントとの合意形成を図るため |
| 作成する時期 | 契約前や案件の打診段階 | プロジェクト発足時や社内承認時 | 制作の方向性や予算感を確認するため |
| 記載する内容 | 課題解決の手法や制作の方針 | 具体的なアイデアや実現手順 | 自社の強みや提案の根拠を示すため |
| 目指すゴール | クライアントからの案件受注 | 社内での予算獲得やプロジェクトの承認 | スケジュールや体制の認識を合わせるため |
| 視点の置き方 | クライアントの課題解決を最優先 | アイデアの新規性や社内の利益を重視 | 競合他社との差別化を図るため |
提案書と企画書の違いを理解する

Web制作の現場では、提案書と企画書という言葉が混同されがちですが、それぞれ役割や目的が明確に異なります。
提案書は、主に外部のクライアントに対して提出する書類です。クライアントの抱える課題をヒアリングし、その課題を解決するための最適なWebサイトのあり方を提示することが目的です。そのため、クライアントの視点に立ち、専門用語を控えめにして、どのようなメリットがあるのかをわかりやすく伝える必要があります。
一方で企画書は、社内での承認を得るために作成されることが一般的です。新しいWebサービスを立ち上げる際などに、そのアイデアの具体的な内容や必要なリソース、期待できる利益などを詳細にまとめます。提案書はクライアントに行動を促すための営業資料としての側面が強く、企画書はアイデアを具体化するための設計図としての側面が強いと言えます。
提案書を作成する際は、クライアントに対して自社を売り込むという意識を強く持つことが重要です。
プロジェクトの目的や課題を共有する
提案書を作成するもう一つの重要な目的は、クライアントと制作会社の間でプロジェクトの目的や課題に対する認識を共有することです。
Web制作の初期段階では、クライアント自身もどのようなサイトを作りたいのか、何が本当の課題なのかを明確に言語化できていないことが多々あります。制作会社が提案書を通して現状の課題を特定し、解決策を明文化することで、クライアントの考えを整理する手助けができます。
また、プロジェクトのゴールを明確に設定しておくことで、制作が進行してから認識のズレが生じる事態を防ぐことができます。提案書の中で解決すべき課題と達成すべき目標をしっかりと定義し、双方が同じ方向を向いてプロジェクトを進められる状態を作り出します。
これにより、クライアントからの信頼を獲得し、その後の要件定義やデザイン制作をスムーズに進めることが可能になります。

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提案書を作成する前の準備手順
質の高い提案書を作成するためには、いきなり資料の作成に取り掛かるのではなく、事前の準備を徹底することが欠かせません。クライアントのビジネスや現状の課題を深く理解していない状態で提案書を書いても、表面的な内容にとどまってしまい、相手の心に響くことはありません。
事前の準備では、クライアントからのヒアリングと、独自の調査という二つのアプローチで情報を集めます。
以下で、ヒアリングで確認すべき項目と、現状調査で分析すべき項目をまとめました。準備を進める際の参考にしてください。
STEP
ヒアリング1
確認すべき項目
Webサイトを制作する目的や達成したい目標
→プロジェクトのゴールを明確にするためSTEP
ヒアリング2
確認すべき項目
ターゲットとなる顧客層の属性や行動特性
→デザインや構成の方向性を決定するためSTEP
ヒアリング3
確認すべき項目
クライアントが希望するスケジュールや予算感
→実現可能な提案の範囲を設定するためSTEP
現状調査1
確認すべき項目
既存Webサイトの使い勝手や情報の整理状況
→改善すべき具体的な問題点を発見するためSTEP
現状調査2
アクセス解析ツールによる定量的データの確認
→離脱率が高いページなどの課題を特定するためSTEP
現状調査3
競合他社のWebサイトの構成や強みの分析
→差別化を図るための戦略を立案するため
手順1:要望をヒアリングする

提案書作成の第一歩は、クライアントからの丁寧なヒアリングです。
最初の打ち合わせでは、クライアントがなぜWebサイトの制作やリニューアルを検討しているのか、その背景にある真の目的を引き出すことに注力します。
例えば、デザインを新しくしたいという要望の裏には、採用活動を強化して優秀な人材を確保したいといったビジネス上の課題が隠れています。これらの課題を正確に把握することで、デザインの刷新だけでなく、コンテンツの追加や導線の改善といった根本的な解決策を提案できるようになります。
ヒアリングの際には、ターゲット層の属性や、競合として意識している企業、さらには公開希望日や予算の上限なども漏れなく確認します。この段階でクライアントとの信頼関係を築き、より深い情報を引き出すことが、提案書の説得力を高める土台となります。
手順2:既存サイトの現状を調査する

ヒアリングでクライアントの要望を把握した後は、客観的な視点から現状調査を実施します。
既存のWebサイトがある場合は、実際にサイトを操作して、ユーザーの視点で使いにくい部分や情報が不足している部分がないかを確認します。スマートフォンの表示に対応しているか、ページの読み込み速度は適切かといった技術的な側面もチェックします。
さらに、クライアントからアクセス解析ツールの閲覧権限をもらうことができれば、定量的なデータに基づいた分析が可能になります。どのページがよく見られているのか、どこでユーザーが離脱しているのかを数値で確認することで、提案に客観的な根拠を持たせることができます。
同時に、競合他社のWebサイトも調査します。競合がどのような情報を発信しているのかを分析し、クライアントのサイトが他社よりも優位に立つための戦略を練ります。
これらの調査結果を提案書に盛り込むことで、プロフェッショナルとしての説得力が格段に向上します。
提案書に盛り込むべき構成要素
事前の準備で集めた情報を整理したら、いよいよ提案書の作成に取り掛かります。
提案書には、クライアントが制作の可否を判断するために必要な情報を過不足なく盛り込む必要があります。
構成の流れとしては、まず現状の課題とそれを解決するための全体方針を示し、次に具体的なサイトの構成やデザイン案を提示して、最後に費用やスケジュールといった現実的な条件をまとめるのが一般的です。
以下の表に、提案書に盛り込むべき必須の構成要素と、それぞれの項目で伝えるべき内容を整理しました。
| 提案書の構成要素 | 構成要素の概要と 記載する主な内容 | クライアントに与える効果 |
|---|---|---|
| 目的と方針 | プロジェクトの目的と課題解決の方向性 | 課題に対する理解度を示し安心感を与える |
| サイトマップ | Webサイト全体のページ構成をまとめた図 | サイトの規模感や必要なコンテンツを伝える |
| ワイヤーフレーム | ページのレイアウトを枠線で示した設計図 | 情報の配置やユーザーの動線を具体的に示す |
| デザイン案 | サイトの完成イメージに近いビジュアル | 視覚的な魅力を伝え期待感を高める |
| スケジュール | 制作開始から公開までの具体的な工程表 | リリースまでの道のりを現実的に想像させる |
| 見積もり | 制作にかかる費用の内訳と合計金額 | 予算内でどのような対応が可能かを提示する |
| 体制図 | プロジェクトに関わるメンバーの役割分担 | 制作を任せる上での信頼感と責任を明確にする |
制作目的と課題解決の方針を提示する
提案書の冒頭では、ヒアリングと現状調査に基づいた制作の目的と課題解決の方針を提示します。クライアントが抱えている悩みを言語化し、自社がそれをどのように解決するのかを明確に宣言します。
ここでは、単にきれいなサイトを作りますという抽象的な表現ではなく、例えば20代のターゲット層に向けた導線を強化し、お問い合わせの増加を目指しますといった具体的な方針を示します。
また、設定したターゲット層の具体的な人物像であるペルソナも合わせて提示することで、どのようなユーザーに向けてサイトを作るのかという共通認識を持つことができます。
冒頭でクライアントの課題に寄り添う姿勢を示すことで、その後に続く具体的な提案内容への関心を高め、最後までしっかりと資料を読んでもらうための引き込みの役割を果たします。
サイトマップで構成を可視化する

制作の方向性を共有した後は、サイトマップを用いてWebサイト全体の構造を提示します。
サイトマップとは、どのようなページが存在し、それらがどのように関連し合っているのかをツリー状に表した図のことです。これを提示することで、クライアントはサイトの全体像や規模感を視覚的に把握できるようになります。
特に、リニューアル案件の場合は、既存のサイトマップと新しく提案するサイトマップを並べて比較することで、どの情報を整理し、どのコンテンツを追加するのかが一目でわかるようになります。
必要な情報が適切な階層に配置されているか、ユーザーが迷わずに目的のページにたどり着ける構造になっているかを説明し、情報設計の適切さをアピールします。
サイトマップは、後々の制作工程における設計図となるため、漏れがないように慎重に作成します。
ワイヤーフレームでイメージを伝える

クライアントが最も関心を寄せるのは、実際のWebサイトがどのような見た目になるのかという完成イメージです。
そのため、提案書にはワイヤーフレームやデザイン案を盛り込むことが効果的です。
ワイヤーフレームは、各ページにどのような情報を配置するのかを枠線やテキストで示した設計図であり、ユーザーの動線やコンテンツの優先順位を説明するために使用します。
一方、デザイン案は、実際の配色や写真、フォントを適用したものであり、サイトの雰囲気を直感的に伝える役割を持ちます。
デザイン案を提示する際は、なぜその色を選んだのか、なぜその写真を使用したのかというデザインの意図や根拠も合わせて説明します。
デザインの質が重視される案件では、複数のデザイン案を用意してクライアントに選んでもらう形式をとることも受注率を高める有効な手段となります。
スケジュールと見積もりを提示する

提案内容を実現するための現実的な条件として、概算のスケジュールと見積もりを提示します。
スケジュールは、契約から要件定義、デザイン制作、システムの構築、そして最終的な公開に至るまでの工程を月別や週別の表形式で示します。クライアント側に原稿の用意やデザインの確認をお願いするタイミングも明記しておくことで、双方が協力してプロジェクトを進めるイメージを持ってもらうことができます。
見積もりについては、単なる合計金額だけでなく、ディレクション費、デザイン費、コーディング費など、項目ごとの内訳を詳細に記載します。何にどれくらいの費用がかかるのかを透明性を持って提示することで、クライアントの納得感が高まり、価格に対する不信感を払拭することができます。
必要に応じて、機能を追加した場合のオプション料金も記載しておくと親切です。
POINT -ポイント-
プロのディレクション視点:発注者の不安を先回りして解消する
発注側(特にWeb制作の知識が少ない担当者)は、「スケジュールが遅れたらどうなるのか」「追加費用が発生する条件は何か」を常に不安視しています。単にスケジュール表を載せるだけでなく、「クライアント側の確認期間」をあらかじめ明確に組み込み、進行遅延のリスクヘッジ策まで提案書に落とし込んでおくことで、他社と圧倒的な信頼の差をつけることができます。
プロジェクトの体制図を記載する

提案書の最後には、プロジェクトを遂行するための体制図を記載します。
ディレクター、デザイナー、エンジニアなど、どのような役割のメンバーがアサインされるのかを図で示し、責任の所在を明確にします。担当者の名前や簡単なプロフィール、過去の実績などを添えることで、クライアントに安心感を与え、一緒に働くイメージを強く持ってもらうことができます。
また、クライアント側の担当者と制作会社側の窓口であるディレクターがどのようにコミュニケーションを取るのかといった連絡の経路も示しておくと、プロジェクトが始まってからの進行がスムーズになります。
体制図を提示することは、自社が組織としてしっかりと案件をサポートできるという信頼性の証明にもつながります。
POINT -ポイント-
プロのディレクション視点:発注者の不安を先回りして解消する
クライアントが恐れているのは、「営業担当の感じは良かったのに、いざ制作が始まったら誰が作っているのか分からず、進行が不透明になる」という事態です。体制図内に「定例ミーティングの頻度」や「緊急時の連絡フロー」まで明記しておくことで、「プロジェクト管理が非常にしっかりしている会社だ」という強い安心感の付与につながります。
受注率を高める提案書を作るポイント

必要な構成要素を揃えるだけでなく、資料の表現方法や見せ方を工夫することで、提案書の説得力はさらに向上します。
提案書を読むのは、Web制作の専門知識を持たないクライアントの担当者や決裁者です。そのため、専門的な内容をいかにわかりやすく伝え、納得感を持たせるかが受注を左右する鍵となります。
ここでは、提案書を作成する際に意識すべき重要なポイントを解説します。
以下の表では、提案書を作成する際の好ましい例と避けるべき例を比較していますので、自身の作成した資料を見直す際の基準として活用してください。
| チェックする視点 | 提案書作成時の好ましい例 | 提案書作成時の避けるべき例 |
|---|---|---|
| 言葉選びと表現 | 専門用語を避け誰にでもわかる言葉で説明する | 業界特有の専門用語を多用し説明を省く |
| 提案の根拠 | アクセス解析などのデータに基づき提案する | 制作者の主観や感覚だけでデザインを決める |
| スライドの情報量 | 一つのスライドにつき一つのメッセージを伝える | 一つのスライドに情報を詰め込みすぎる |
| デザインの配慮 | 余白を十分に活かし読みやすいレイアウトにする | 文字ばかりで視覚的な工夫が全くない |
| プレゼンの準備 | クライアントからの想定質問と回答を用意する | 資料をそのまま読み上げるだけの準備にとどまる |
| 競合との比較 | 自社独自の強みや提供できる価値を強調する | 他社と同じような一般的な提案に終始する |
クライアントに伝わる簡潔な表現にする
提案書を作成する上で最も重要なのは、クライアントが直感的に理解できる簡潔な表現を心がけることです。
Web業界では日常的に使われている専門用語でも、他業界のクライアントにとっては馴染みがない言葉が多数存在します。専門用語を多用した資料は、クライアントに難解な印象を与え、提案の内容を十分に理解してもらえない原因となります。
必要不可欠な専門用語を使用する場合には、必ず簡単な解説を添えるなどの配慮が必要です。
また、文章は短く区切り、結論から述べる構成にすることで、読み手の負担を軽減します。図解やイラストを積極的に取り入れ、視覚的に情報を整理することも有効です。
資料の一枚一枚が何を伝えたいのかを一目で把握できる構成になっているか、常にクライアントの目線に立って確認することが求められます。
ユーザー視点に基づく根拠を提示する
提案内容は、制作会社の都合やデザイナーの個人的な好みに偏ることなく、常にユーザーの視点に基づいた客観的な根拠を持つ必要があります。
デザインがおしゃれだからという理由ではなく、ターゲット層に好まれる配色だからという論理的な説明を加えることで、提案の説得力が増します。特に、現状調査で得られたアクセスデータや、競合他社の分析結果を裏付けとして提示することは非常に効果的です。
クライアントは投資に対する成果を求めているため、その提案がどのようにビジネスの課題解決に貢献するのかを、根拠を持って明確に説明できるかどうかが、競合他社とのコンペティションを勝ち抜くための決定打となります。
プレゼンの質疑応答を想定して作成する
提案書は、提出して終わりではなく、多くの場合クライアントの前でプレゼンテーションを行うための資料として使用されます。
そのため、プレゼンテーションの場を想定して資料を作り込むことが重要です。すべての情報をスライドに書き込むのではなく、口頭で補足する部分を残しておくことで、クライアントの視線をプレゼンターに向けさせることができます。
さらに、提案に対してクライアントが抱きそうな疑問や懸念点をあらかじめ予測し、その回答を用意しておくことも欠かせません。スケジュールが遅れるリスクはないかといった質問に対して、的確に回答できる準備をしておくことで、プロフェッショナルとしての信頼感を高めることができます。
想定質問への対策も含めて提案の準備を整えることで、自信を持ってプレゼンテーションに臨むことが可能になります。
まとめ:クライアントの課題に寄り添い、信頼を勝ち取る提案書へ
Web制作の提案書は、クライアントが抱えるビジネス上の課題を解決し、自社が最適なパートナーであることを証明するための重要なツールです 。本記事では、受注率を高めるための具体的な構成要素や作成の手順、説得力を生むポイントを詳しく解説しました。
質の高い提案書を作成する鍵は、事前の徹底したヒアリングと現状調査による「準備」にあります 。これらを通じて得た客観的なデータや事実に基づき、ユーザー視点に立った論理的な解決策を提示することで、提案の説得力は格段に向上します 。また、専門用語を控えた簡潔な表現を心がけ、プレゼン時の質疑応答まで想定して準備を整えることが、クライアントからの深い信頼を獲得するための近道となります 。
提案書は、プロジェクトを成功へと導くための第一歩です 。本記事で紹介したポイントを日々の業務に取り入れ、クライアントの心を動かす最高の一枚を作り上げて、ぜひ数多くの案件受注につなげてください 。
また、シスコムではWebサイトの制作はもちろん、上流工程である戦略立案から提案書の作成・コンペ対応まで幅広くサポートしています。
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