コロナ禍で注目の「OODAループ」とは? コロナ時代はOODA(ウーダ)ループで生き残る!PDCAと使い分け

ミニナレ編集部

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OODAループ

ビジネスにおいて重要とされる概念に「PDCAサイクル」というものがありますが、コロナ禍にある昨今では、「OODA(ウーダ)ループ」という概念が注目されています。

2020年初頭から流行した新型コロナウイルス感染症により、世界中が大混乱に陥っている今。当然ビジネス界への影響も大きく、まさに変化の重要性を感じたのではないでしょうか。

こうした変化の時代に重要な概念が、OODAループです。PDCAと適切に使い分けることで、ビジネスを加速していくことができるでしょう。

本記事では、OODAループとPDCAのそれぞれの特徴を紹介したうえで、両者のメリット・デメリット、違いについて解説します。

目次

    OODAループとは?

    OODAループとは、Observe(観察)・Orient(状況判断、方向づけ)・Decide(意思決定)・Act(行動)の頭文字をとったもの。それぞれ解説します。

    ・Observe(観察)

    OODAループの最初の段階では、まずは相手をよく観察します。自らの計画はひとまず置いておき、とにかく相手の情報を収集することで、相手の戦略を集めるのです。十分な情報を仕入れることで、自分以外の外部の情報を知ることができます。

    ・Orient(状況判断、方向づけ)

    Observe(観察)で情報を集めたデータを元に、今どのようなことが起きているのか、状況を分析したうえで、今後の方針を策定するプロセスです。

    ・Decide(意思決定)

    Orientによって分析して状況判断されたデータ・情報は、Decideのプロセスで今後の行動計画を立てたり、具体的な方針を決定します。

    ・Act(行動)

    最後は行動です。もしうまくいかなければ、最初に戻り、再びサイクルを回していくことになります。

    後述するPDCAサイクルは、これまで多くのケースで使われていた方法ですが、デメリットとして比較的時間がかかるというものがありました。現代は変化の時代。昨年の意思決定が今年も活用できるか定かでないからこそ、スピード感を持って状況を分析して何度もチャレンジできるOODAループが求められています。

    OODAループのメリット

    OODAループにはいくつかのメリットがありますが、最大のメリットは迅速に動けて、状況の変化に強いということでしょう。

    OODAループでは最低限の計画は決めておくものの、実際の行動は個人単位で実行します。情報を集めてすぐに行動に移せるため、情勢の変化や環境の変化などのトラブルに素早く対応することができます。

    結果の検証を同時に進めるため、意思決定を誤っても変更しやすく、状況が変化したら実行せずに意思決定から観察フェーズに移ることも可能です。OODAループの流れを正確に守らなくても実行できる点は、大きなメリットといえます。

    こうした考えから、OODAループは状況の変化に強いといわれています。

    OODAループのデメリット

    反対にOODAループのデメリットはどのような点でしょうか。最大のデメリットは、ビジョンが絶対的に必要な点です。
    OODAループを回すためには、最低限こうしたいというビジョンが必要です。ビジョンがなければ進むべき方向性が定まらず、ただOODAループを早く回すだけになってしまいます。つまり夢や目標がなければ、方向性が分からず行動ができなくなるのです。

    こうしたデメリットを解消するためには、トップがビジョンを語りメンバーと共有したうえで、個人とチームの目的を統一化することが重要です。

    PDCAとは

    PDCA

    PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことで、継続的な業務の改善を行う手法です。OODAループより馴染み深い概念でしょう。

    ・Plan(計画)

    目標を設定し、そのために計画を立てます。いつまでに、どのターゲットに、何を、など具体的に決めることが重要です。

    ・Do(実行)

    計画に基づいて実際に行動します。計画を意識して行動しつつ、その結果を記録しておきましょう。

    ・Check(評価)

    実行した行動において、結果どうだったのかチェックします。

    ・Action(改善)

    評価した内容に基づいて、今後の方針を決めます。改善するのか、そのまま進むのか決めたうえで、最初のPlanに戻ります。

    PDCAのメリット

    PDCAの最大のメリットは目標が確立する点でしょう。PDCAサイクルを行う場合、初期に明確な目標を掲げます。目標をもとに行動するため、不要な行動が改善できるのです。

    先に解説したOODAループは、ビジョンはあるものの行動は個人単位で行います。当然、メンバー各々の能力差があるため、成果に隔たりが起きることもあるでしょう。メンバーの多くが失敗した場合、計画も失敗に終わる可能性が高いといえます。

    その点PDCAでは、目標を確立して、メンバーで協力しつつ実行します。能力にばらつきがあっても補ったり、繰り返すことでフォローすることできます。

    こうした点がPDCAのメリットでしょう。

    PDCAのデメリット

    一方でデメリットには、想定外の事態に対応しにくいという点が挙げられます。
    変化の激しい現代では、当初の計画通りにいかないことは往々にしてあります。例えば8月に新商品を発売する計画があったとします。PDCAを回しつつ、広告や紹介などによって販売促進するでしょう。ところが発売前になって、新商品と似た商品が競合他社から発売されました。PDCAで想定していない事態だった場合、大きく計画が崩れるでしょう。

    このように予想できない未来が起きた時に、柔軟に対応できない点はデメリットとなります。

    OODAループとPDCAを上手く使い分けよう

    OODAループとPDCA

    OODAループはPDCAよりも意思決定が早くでき、変化に強いといわれています。
    先が読みにくいコロナ時代や、情報の移り変わりが激しい現代では、こういった状況の変化に柔軟に対応できるOODAループが有効なのです。世界情勢や政府の決定がしばしば変わる状況下では、しっかり計画を立てて検証し行動するよりも、すばやく情報を集めて暫定的に行動するやり方が求められます。状況判断を遅らせていれば、時代に取り残されてしまうでしょう。そういった意味でOODAループは今後、必要となる概念です。

    とはいえ、PDCAが完全に不必要になるわけではありません。数値目標を掲げて達成するフェーズにおいては、まだまだ使用する場面が多いでしょう。

    要は、どちらか一方だけで進めるのではなく、適切な使い分けが必要なのです。

    PDCAとOODAループの違い

    違いをみつける

    OODAループとPDCAの最大の違いは「何を改善するのか」という点にあります。

    PDCAは主に業務内容における改善を目的としており、自分や会社の考え方や計画を前提に進めます。一方でOODAループは、市場や顧客の特徴を分析し、戦略を立てていく方法です。最初に経営戦略やビジョンを定め、早く適切な意思決定をするための枠組みになります。つまりPDCAは「やり方」、OODAループは「考え方」の改善という違いがあります。

    変化の激しい現代において、両者を使い分けて考える必要があります。具体的には考え方の適正化を行ったり、業務内容を改善していく方法があります。両者を十分に取り入れることで、前述のメリットを享受できるでしょう。

    まとめ

    OODAループとPDCAにはそれぞれメリット・デメリットがあります。変化の激しい時代にはOODAループが優れていますが、定量的な目標に向かいたいときにはPDCAが優れています。
    単にどちらか一方で進めると決めるのではなく、目的や状況に応じてそれぞれのフレームワークを使い分けることが重要です。

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    この記事を書いた人 ミニナレ編集部

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