AI時代の先へ BtoB・BtoC別 2026年Webデザイントレンド9選
- 公開日
2026.04.07
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2026年は、AIが生成する『ノイズのない最適解』への反動と、「空間・触覚への拡張」が大きなテーマとなっています。技術が高度化する一方で、あえて「人間味」や「不完全さ」を戦略的に取り入れる動きが加速しています。また、ターゲットをBtoBとBtoCに分けた際、デザインの方向性はより対極的になっていくことが予想されます。
<BtoCとBtoBのWebデザインの違い>
BtoC向け:感情を揺さぶる「没入・体験型」デザイン
BtoCサイトは、単なる買い物や情報発信から「ブランドの世界観を浴びる体験」へとシフトしています。
BtoB向け:意志決定を加速させる「機能的・信頼型」デザイン
BtoBサイトは、単なるカタログから24時間稼働する『自律型デジタル営業拠点』へと進化していくことが予想されます。
それでは、以下の要素に注目してWeb制作会社として注目したい2026年のWebデザイントレンドをご紹介していきます。
- 質感重視なら:ハンドクラフト / コラージュ / リキッドグラスによる情緒的訴求
- 構造重視なら:Bento Grid / アンチグリッドによる情報の即時性
- 動き重視なら:ナラティブ・エフェクト / キネティック・タイポグラフィ
目次
1.質感を重視したハンドクラフト・エステティクス
生成AIが作る「完璧すぎる画像」にユーザーが食傷気味な中、あえて手書きのイラスト、ラフな筆跡、アナログなノイズを取り入れたWebデザインが人気です。これにより、ブランドの「誠実さ」や「人間らしさ」を強調することができ、「作り手の顔が見える」温もりを演出したWebデザインになっています。
SHIPS any|HOLIDAY WISH LISTs|株式会社シップス
右側にインデックスタグがあったり、背景が罫線のノート風だったりと、雑誌やスクラップブックをみているような楽しいWebデザインです。親しみやすいデザインで親近感がわいてきますね。
あえてざらりとした質感の背景と、ずらした模様が独特なWebデザインです。ポップなカラーですが個性的な雰囲気のサイトになっています。
2.親しみやすいコラージュ・雑誌風Webデザイン
コラージュ風デザインは、写真やイラスト、切り抜き文字など異なる素材をスクラップ帳のように重ね合わせる手法です。画面に「手触り感」や「アナログな揺らぎ」を持ち込み、ブランドの体温や物語性を直感的に伝えます。
あえて不完全な人間らしさを演出するために重用されます。唯一無二の世界観を構築しやすく、BtoCブランドのファン化を促す強力な視覚戦略となります。
メインビジュアルはまさにコラージュ風なイメージで写真を効果的に使っています。コラージュ(collage)とは、フランス語で「糊付け」を意味する言葉で、テーマである「ここでやりたい100のこと」のイメージがわくような楽しい作りのWebデザインになっています。AIによる整然とした画像への反動として、編集者のパッションや人間味を視覚化しているところが特徴的です。出版社らしくあえてWebデザインでCMYKのカラーバーがあるのが可愛いです。
TAIYO KIKAKU 「うちで噂のNEW CREATORS」
雑誌の特集のように写真を大胆にレイアウトした面白いWebデザインです。こちらも写真を様々な形で切り抜いたり、枠や文字に細い罫線を引いたりする手法のWebデザインでくっきりとメリハリのある印象を与えています。
3.高級感を演出するリキッドグラス
リキッドグラスは、すりガラスのような透明感に「液体の揺らぎ」と「光の屈折」を加えた進化系スタイルです。要素が重なった際に背後がリアルに歪んで見える演出は、WebGPUによる描画進化の賜物。デジタルでありながら、思わず触れたくなるような奥行きと実在感を生み出します。先進性や透明性をアピールしたいブランドに適した、2026年注目したいポイントです。
2026年は、WebGPUによる滑らかな描画を背景に、ブランドのビジョンを自分事化させる強力なストーリーテリングの手法として、BtoB・BtoC問わず重要視されます。
BtoBのWebデザインとして取り入れる場合は、製品の製造工程や、導入後の成功ストーリーをスクロールに合わせて追体験させるなども効果的です。
客室紹介など下層ページのメニューやボタンが上質な「すりガラス」のような質感で、高級感を与えるWebデザインです。写真や動画が効果的にレイアウトされています。
XREAL – Building Augmented Reality for Everyone
ARグラスの製品特性に合わせ、光の屈折や透過(グラスモーフィズム)を多用。背景がレンズ越しに覗いているように歪む演出が、2026年の王道となる「奥行きのあるデジタル質感」を体現しています。
4.機能的なBento Grid(弁当箱レイアウト)
Bento Grid(弁当箱レイアウト)とは、お弁当のように四角い枠をパズルのように組み合わせ、情報を整理する手法です。
最大の特徴は、情報の優先順位をサイズで直感的に示せる点と、レスポンシブ対応のしやすさです。2026年は単に並べるだけでなく、AIによる動的な内容変更や、あえて枠をはみ出す「崩し」を加えることで、高い機能性と個性を両立させるスタイルが主流となっています。
BtoB向けWebデザインとしては、複雑な製品ラインナップや導入実績を、機能ごとに整理して見せるのに有効です。
多岐にわたる事業内容を四角い枠で整然と整理し、情報の優先順位を枠のサイズで直感的に伝えている点です。細い罫線使いも美しく、BtoBサイトとしての信頼感と機能性を両立しています。
システマチックに区切る事で、複数あるコンテンツも一定の法則を持って見せることができます。スマートフォンにした時も要素によって視覚的差が生まれにくいというメリットがあります。
5.個性的なアンチグリッド & ブロークングリッド
アンチグリッド & ブロークングリッドは、整然とした枠組みをあえて崩す、自由でアバンギャルドなレイアウト手法です。要素を大胆に重ねたり、左右非対称な余白を作ったりすることで、静止した画面に独特の「リズム」と「奥行き」を生み出します。
2026年は、AIによる「完璧で規則的なデザイン」へのカウンターとして、ブランドの強い個性や人間味を演出する際に多用されます。計算された不完全さが、ユーザーの記憶に深く残る視覚体験を提供します。
背景にざらつきのあるテクスチャを加え、メニューもあえてボタンのように並べるのではなく、上下左右にカーソルを合わせる形のちょっと変わった遊び心のあるWebデザインになっています。
メインビジュアルはランダムな写真のレイアウト、スタッフ紹介メッセージと写真はグリッドに並んだWebデザインです。ラフな要素と組み合わせることで、多くの情報もすっきりと見せることができています。
6.物語を加速させるナラティブ・エフェクト
ナラティブ・エフェクトは、ユーザーのスクロールや操作に合わせて、サイト全体が物語(ナラティブ)を語るように変化する演出技法です。ブラウザ上で高度なグラフィックを描画できるWebGPUという技術が標準化されることで、これまで動画でしか表現できなかったリッチな演出が、Webサイト上で軽量に動かせるようになります。単なるアニメーションではなく、3D空間の移動やタイポグラフィの変形を連動させ、ユーザーを情報の「読者」から「体験者」へと変貌させます。
商品の魅力をスクロールするごとに楽しく紹介しているWebデザインです。ナラティブ・エフェクトにより、商品の断面や食感を擬似体験させ、購買意欲を直感的に刺激しているのが特徴です。
スクロールとともに50年の歴史が届けられていく遊び心にあふれたサイトです。道の上を歩いていく黒猫だけでなく、ところどころにゅっと伸びる猫の手や足跡のエフェクトも楽しいです。イラストとテキストのバランスが良いので長い歴史も最後まで飽きずに見ることができるよう工夫されています。
7.見る人を楽しませる空間的・没入型3D
WebGPUの普及により、ブラウザ上での高度な3D表現がより軽量になります。単なる背景としての3Dではなく、スクロールと連動して空間を歩き回るような物語型(ストーリーテリング)サイトも注目を集めることでしょう。
スクロールに合わせてノートのページがめくれ、イラストや文字が飛び出す絵本のように立体的に現れる演出が秀逸です。平面的なWebサイトを「奥行きのある空間」に変え、ワクワク感と共にメッセージを深く浸透させています。「空間的・没入型」、さらに物語性を加えた「ナラティブ」なデザインになっています。
製品が宙に浮き、スクロールに合わせて自在に回転・移動する演出は、まるで仮想展示会を歩いているような没入感を与えます。製品の造形美を全方位から鑑賞させることで、見る人を飽きさせずブランドの世界観へ引き込んでいます。
8.キネティック・タイポグラフィ
キネティック・タイポグラフィは、文字に動き(キネティック)を与え、視覚的な主役にする手法です。2026年は、単に文字が流れるだけでなく、スクロール速度やマウスの操作に反応して、文字が液体のように歪んだり3D的に回転したりする表現が一般化します。サイトの「声のトーン」を視覚的に伝え、読ませるのではなく「感じさせる」デザインとして、ブランドの個性を際立たせます。
「キネティック・タイポグラフィ」と「アンチグリッド」を掛け合わせた非常に現代的なデザインです。タイポグラフィが背景で大胆に動き続け、グリッドを無視して重なる要素が圧倒的な躍動感を生んでいます。賑やかさと洗練さを両立し、家電量販店らしい「ワクワクする高揚感」を直感的に伝える構成です。
Digital Branding and Websites | Paper Tiger
「キネティック・タイポグラフィ」を非常にモダンに活用したWebサイトです。スクロールに合わせて巨大なタイポグラフィが大胆に流動し、情報の切り替わりをダイナミックに演出しています。シンプルな配色ながら、文字の動きだけで「力強さ」と「遊び心」を両立させ、強烈な第一印象を残す構成のWebデザインになっています。
9.必須となるWebアクセシビリティとネオブリュタリズム
2026年には、障害の有無に関わらず使いやすい設計が「トレンド」ではなく「必須のマナー」となります。「見栄えが良い」だけでなく「誰もが使える」ことが大前提です。誰もが使いやすい、理解しやすいということは、ユーザーだけでなくAIにも認識されやすいWebデザインといえます。

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これらの構造をより強調するために、細い罫線(ヘアライン)で要素を縁取る『ネオブリュタリズム』的な手法が多く見られます。情報の境界線を明確にすることで、視認性を高めるだけでなく、デジタルならではの精密さや誠実さを演出する効果があります。
写真をあえて様々な形でトリミングしたり、手書き風のイラストをあしらったりと、コラージュ感のあるWebデザインです。背景のチェックのラインもサイトの優しいトーンとマッチしています。写真や枠に細い罫線を引くデザインもメリハリがありポップさとアクセシビリティにも配慮されたWebデザインとなっています。
フラットなデザインですが、写真だけでなく、少しゆるさのある絵本のようなタッチのイラストや雑誌風のポップなデザインの組み合わせで親しみやすさを与えています。難しさよりもわくわくするようなWebデザインのため、色々なページが見てみたくなります。こちらも枠に細い罫線を引くデザインで見やすいWebデザインになっています。
注目したいWGSNカラー・オブ・ザ・イヤー 2026
色はブランドの第一印象を決めます。
WGSNは、ファッション、美容、インテリア、食品、コンシューマーテックなど多岐にわたる業界で、AIデータ分析と専門家による洞察を組み合わせ、2〜5年先の消費者トレンドを約94%の精度で予測する世界最大級のトレンド予測サービスです。2026年の象徴色として予測されている、「Transformative Teal(トランスフォーマティブ・ティール)」深みのある濃紺や青緑色。リキッドグラスの質感や、先進的なBtoBサイトに非常にマッチします。
参考:カラー・オブ・ザ・イヤー 2026:トランスフォーマティブティール
2026年に注目したいWebデザイントレンドは“個性”
注目したいポイント(質感・構造・動き)に基づき、それぞれの特徴が際立っているWebサイトをご紹介しました。
2026年は、単に「綺麗なサイト」を作るだけではAIに代替されてしまいます。「そのブランドにしかない手触り(質感)」や「AIには出せない絶妙な揺らぎ」を、いかにデジタル上で実装されていくかが注目されます。
今後は実用化されたAIによって、「言語的な操作→回答」が主流になる可能性もあります。ナビやガイド画面が不要になり、デザインする場所は「結果表示画面(確認画面UI)」だけになるかもしれません。
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