オウンドメディア運営するならマネタイズしたい! オウンドメディアを収益化するマネタイズの極意
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オウンドメディアを運営しているご担当者さまにとって「自社の売上に貢献するべくマネタイズ(収益化)したい」というニーズは高いと思います。
ですが、自社の特性やオウンドメディアの運用目的を理解していないと、マネタイズは上手くいきません。サイトから収益を得るためには、自社の「売りになるもの」を「どのように売るか」について検討する必要があります。
本記事では、「オウンドメディアを収益化できてないか」と上司にせっつかれてお困りのあなたに、オウンドメディアをマネタイズするための方法をお伝えしていきます。
目次
オウンドメディアでもできるマネタイズ
本来、オウンドメディアはメディア自体からの収益化ではなく「企業の抱える事業や採用の課題をいかに解決するか」を目的としています。オウンドメディア最大のメリットは、自社でコンテンツを制作・管理できる点にあります。自社でコントロールできる要素が多いので、外部サービスと比べるとターゲット層の定義や、訪問ユーザーをどのサービスへ引き込むのかといった戦略立てが容易にできるわけです。
また、サイトの質をあげて十分な集客ができるようになると、オウンドメディアでも収益化も見込めるようになります。
では、オウンドメディアを自社の売り上げに貢献できるコンテンツに成長させていくためには、どのような方法があるのでしょうか。
オウンドメディアは強力な営業ツール
制作の自由度が高いオウンドメディアでは、自社にしかないノウハウや強みを生かしたコンテンツを投入できます。オウンドメディアを使用して企業名や商品名、サービス名など、営業さながら世間に周知させることも可能です。
そのため近年のビジネスシーンでは、オウンドメディアを自社の営業ツールとして活用する場面も増えてきています。オウンドメディアはマネタイズの入口として大きな効果を発揮することでしょう。
顧客エンゲージメントの向上
顧客エンゲージメントとは「顧客との親密度」を表す言葉です。訪れたユーザーにとって使いやすいサイト設計を心がけたり、クリエイティブ性の高いデザインを採用したりするのはとても大切なこと。また、ユーザーからの意見を反映しながらサービスの質を随時向上させていくと、サイトに対する印象はより良いものになっていきます。結果的にオウンドメディアに“固定ファン”がつき、顧客との親密度、つまり顧客エンゲージメントが向上していくのです。
オウンドメディアは、顧客エンゲージメントを高めるためにも大変有効です。企業との親密度が高い“固定ファン”は自社の商品やサービスを利用してくれる可能性が高いので、マネタイズにつながりやすいのです。
ターゲット顧客の情報獲得
より精度の高いマーケティング戦略を練るためには、ターゲット顧客の情報が役に立ちます。
オウンドメディアを訪れたターゲット層のユーザーに、自然な流れでフォームへの誘導を行ないましょう。そうすることで、ユーザーの企業名や役職、メールアドレスといった情報を獲得でき、条件を絞り込んだうえでメールマガジンを配信することも可能になります。
また、メールマガジンの配信などでターゲット層のニーズに合った情報を継続的に提供して顧客育成をしていくと、見込み顧客の獲得にもつながります。見込み顧客は、将来的に自社の商品を購入したりサービスを利用してくれたりする可能性があるため、オウンドメディアからのマネタイズが期待できます。
潜在顧客に注力してCVをあげる
見込み顧客が自社の商品やサービスに関心がある顧客であるのに対して、潜在顧客は自社の商品やサービスを知らない、必要性を感じていない段階の顧客を指します。
まずは訪問ページや訪問回数ごとに、訪れたユーザーをセグメント分けしていきましょう。この分析結果から潜在顧客をあぶり出し、潜在顧客へ個別のアプローチを行なっていきます。
具体的には、自社の商品やサービスに興味を持たせて購入や問い合わせなどのアクションにつなげるインバウンドマーケティングや、潜在顧客に対して直接アプローチするアウトバウンドマーケティングなどがあります。
お問い合わせや無料相談を獲得
オウンドメディアにホワイトペーパーなどの資料請求フォームを設置することで、ユーザーからのお問い合わせや無料相談を獲得しましょう。
お問い合わせや無料相談経由でユーザーからの受注につながる接点ができるだけでなく、そこから自社商品の告知やサービスの案内を行なってマネタイズにつなげることも可能でしょう。
オウンドメディアでのマネタイズ手法4選
ここからは、オウンドメディアでマネタイズするためのより具体的な方法をお伝えしていきます。
これまでご紹介してきたマネタイズ方法から、さらに一歩踏み込んだ内容となっています。
広告掲載(純広告掲載、アドセンス広告)
純広告とは、特定のメディア(媒体)の広告枠を買い取り、掲載するタイプの広告です。広告の表示回数に対して料金を支払い、掲載を行ないます。閲覧数の多いYahoo!JAPANやAll Aboutなどがそれにあたります。
アドセンス広告とは、サイト内に広告コードを貼りつけることで表示される広告です。Google広告に出稿された広告が表示されるプログラムで、Google側がサイトに合った広告を表示してくれます。
また、どちらの広告にもメリットとデメリットがあります。純広告のメリットは、契約期間中は必ず広告が掲載されるので、その期間のオウンドメディアからの広告収入は確保される点です。一方、広告枠の管理を自社で行なわないといけないため、運用のリソースは必須です。また、ある特定のユーザーにのみ広告を配信するといった詳細なターゲティングができないので、主に自社に関連した商品やサービスを宣伝したい企業が広告主となります。競合とバッティングしないよう調整が必要です。
アドセンス広告のメリットは、広告コードの貼りつけのみで広告を表示できる手軽さにあります。運用面では、管理は基本的にGoogle側で行なわれるため、純広告より手間がかかりません。アドセンス広告に参加するための審査も決して難易度が高くなく、広告の露出やクリックだけで収益が発生するので売上発生のハードルが低く収益を得やすいのも利点です。デメリットとしては、Google側が広告を表示するため、広告の種類を変更することができない点が挙げられます。ライバルの同業他社がGoogle広告に出稿している場合、ライバルの商品が広告枠に掲載されてしまう可能性もあるのです。また、自社で運営する純広告と比べると、Google側が管理する分の費用がかかるため、収益は劣ります。
社内リソースや予算も鑑みつつ、自社のオウンドメディアと互換性が高い広告を選ぶとよいでしょう。
アフィリエイトの活用
アフィリエイトとは、成功報酬型広告のことです。サイト内に広告主の商品広告やサービス広告を掲載し、訪れたユーザーがその広告を経由して実際に商品の購入やサービスの契約に至った場合、その成果に応じた報酬が支払われてマネタイズができます。
しかし、あくまでアフィリエイトは成功報酬型広告なので、購入や契約などの最終アクションであるコンバージョンがないと収益は得られません。純広告のときと同様、オウンドメディアのユーザーニーズと互換性のあるカテゴリの商品やサービスの広告を掲載、紹介するようにしましょう。
広告企業を募集する純広告と違い、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)に登録するだけで始められるため、手軽にできるのも大きなメリットです。
自社商品を販売、ECサイトへの誘導(直接収益)
自社で扱う商品やサービスがある場合、オウンドメディアでユーザーの興味関心を高めてからサイト上で販売を行ない、コンバージョンにつなげることができます。
たとえば、サイト内で公開する記事に、ユーザーにとって有益な情報や自社の持つ専門性を盛り込むのも手でしょう。商品やサービスの宣伝のみに終始するような記事ではなく、ユーザーを心から満足させられるような情報を提供できる記事をそろえていくべきです。
また、直接収益が見込めるECサイト(独自運営のウェブ販売サイト)を運営しているのであれば、オウンドメディアで獲得した“固定ファン”をECサイトへうまく誘導する導線をつくることでマネタイズが実現できるでしょう。
有料セミナーの開催&新規顧客の開拓
自社独自のノウハウやスキルがある場合、オウンドメディアのコンテンツ内容でユーザーの興味関心を引きつけ、専門性の高い内容で有料セミナーを行なうことも一つの手段です。お金を払ってでも参加してみたくなるよう、自社だけでなく外部の専門家を招待してセミナーのクオリティをあげるのもよいでしょう。
オウンドメディアのマネタイズに必要なこと
ここまではオウンドメディアでマネタイズするための具体的な方法をお伝えしてきましたが、ではマネタイズを実践するために必要なこととは一体なんでしょうか。
以下でご紹介するのはいずれも基本的なことですが、絶対に押さえておくべきポイントでもあります。
アクセスを増やす
まず、多くのユーザーにオウンドメディアの存在を知ってもらうことが必要です。
自社のリソースを踏まえたうえで、検索結果で自社サイトを多く露出させるためにSEO対策を行なったり、広告を出稿したり、SNSを活用したりと、その手段はいくつかあります。
ただ、オウンドメディアに集客をすればそれでおしまいではありません。大事なのは、それを収益化するために訪れてくれたユーザーを飽きさせないようなサイト作りを行なうこと。ユーザーが求める情報をもれなく提供できれば、マネタイズにも近づきます。
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回遊しやすい導線設計
重要なのはオウンドメディアにアクセスしてもらった後の対応です。アクセスしたユーザーをしっかり取り込めるよう、サイト内を回遊してもらえるような導線設計をしましょう。
必要な情報を求めるユーザーを“行き止まり”にさせないよう、内部リンクの設置はマストで行ないたいところ。グローバルリンクをわかりやすく表示する、「こんな記事も読まれています」などの関連記事を設置することも必要です。
サイトへの流入や回遊率などをもとにコンバージョンしたユーザーを分析するには、収益向上を目的としてマーケティング活動を自動化するMA(マーケティングオートメーション)というツールを活用するなどの施策も効果的です。
ファンづくり・リピーター獲得
オウンドメディアの強みは、自社ならではの強みやノウハウをアピールできるというところにあります。先程も述べたように、訪れてくれたユーザーを飽きさせないことが大切です。一見さんをファンにできれば、マネタイズへの道は一気に拓けてきます。
一度訪れたユーザーに「また来てみたい」と思ってもらえるようなコンテンツを安定した頻度で更新するよう意識しましょう。また、メールマガジンへの導線を確保して、ユーザーへ情報を定期的に提供できるよう心がけることも大切です。
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コンバージョンはさりげなく
マネタイズするには、ユーザーのコンバージョンを促す必要があります。
しかし、コンバージョンへの強引な誘導を行なってしまうと、ユーザーに悪い印象を与えてしまいかねないので注意が必要です。
記事内に自社の商品購入やサービス利用へと誘導するリンクを設置する場合、過度な設置は避けるようにしましょう。記事本文が読みづらくなるだけでなく、SEOにも悪影響をおよぼして検索順位の低下にもつながってしまいます。
コンバージョンへの誘導は“さりげなさ”が大切です。
マネタイズの強い味方はECサイト、SNS、コンテンツ配信
オウンドメディアでのマネタイズを狙うには、オウンドメディアそのものをユーザーの興味関心を高めるためのツールと捉えておくとよいでしょう。
以下で、マネタイズに最適な方法をお伝えしていきます。
ECサイトの販売促進が可能
自社で運営しているECサイトの販売を促進したいと考えているのであれば、オウンドメディアが解決策となるかもしれません。
オウンドメディアで商品やサービスの魅力を紹介し、ユーザーをECサイトへと誘導しましょう。ユーザーはオウンドメディアで知識や理解が深まっている状態なので、コンバージョンにつながる可能性が高いのです。
SNSシェア獲得で広告費を削減
ECサイトが“収益を生み出す”マネタイズ法だとすれば、SNSは“出費を減らす”マネタイズ法です。
いまや、SNSはあらゆる世代層が利用するプラットフォームとなっています。影響力が絶大であるSNSを、マネタイズに活用しない手はありません。
また、SNSは拡散力が高いため、あえて広告を出稿しなくとも多くの人に伝えたい情報を届けることができます。つまり、企業として広告費を抑えられるのです。マネタイズを狙うなら、収益増加だけでなく経費削減も大切になってきます。
満足度の高い有料コンテンツ配信
マネタイズ手法の1つとして、オウンドメディアで提供するコンテンツの有料化があります。
自ら検索をかけてオウンドメディアを訪れたユーザーは、明確な意思を持って必要な情報をつかみ取ろうとしている場合が多いもの。感度の高いユーザーに対して、専門家監修の質が高いコンテンツや会員制サービスサイトなどを提供し、マネタイズをはかることも可能です。
マネタイズするときに気をつけておきたいこと
ここまでは、オウンドメディアをマネタイズするための方法や、必要なことなどをお伝えしてきました。
せっかくオウンドメディアを運営しているのであれば、マネタイズはぜひ実現させたいところ。ただ、マネタイズを狙ううえで気をつけておきたいこともあります。
サイト運用知識がないと苦労する
自社にサイト運用の知識がある人材がいれば問題ありませんが、もしいない場合はさまざまな問題に直面するかもしれません。
アクセスを集めるためにはSEOの知識が必要ですし、サイトになんらかの技術的なトラブルが発生した際には修復作業を行なわなければいけません。
これらの対応が社内のリソースでまかなえればよいのですが、もしサイト運用知識に長けている人材がいない場合は、一介のWeb担当者だけで検索エンジンの上位表示させるのは至難の技。SEO対策はその道の専門家がいるほど、施策対策が複雑です。しかし、現代においてはSEO対策をして検索エンジンの上位表示をさせることで、大変マネタイズにつながりやすくなるのも事実です。
オウンドメディアを運営しているが、うまく運営や運用ができていない、社内で負担がかかりすぎているが上司にこの難しさをわかってもらえない、などお悩みのご担当者さまには、シスコムで無料相談も行なっておりますので、お気軽にご連絡ください。
収益化するためにコストがかかる
オウンドメディアの運用に注力するためのリソースが必要となってくるため、マネタイズが実現するまでにはコストがかかります。
ここで避けたいのは、コストをかけないようにするあまり、サイト運用知識を高めるための社内人材育成や外注などの選択肢を削ってしまうこと。結果的に、オウンドメディアへの集客やマネタイズの道が遠のいてしまいます。
結果はすぐには出ないと認識しておく
オウンドメディアでマネタイズをするには、通常ある程度の時間がかかります。立ち上げたばかりのサイトにいきなりアクセスが集中するようなことは、なかなか考えにくいからです。
ユーザーの目線になって考えてみると、有益な情報がない、もしくは少ないサイトに何度も訪れようとは思わないはず。まずは、オウンドメディアに独自性・専門性の高いコンテンツをコツコツとためていきましょう。
オウンドメディアの運営を軌道に乗せるためには、自社のサービスや商品に関心を持つであろう架空の像、いわゆるペルソナを作ってターゲットユーザーを明確にしておくことが大切です。また、ペルソナがどのように商品やサービスと接点を持ち、関心を抱き、購入や利用の意欲を喚起されるかを見える化したカスタマージャーニーを設定するのも有効です。
インタースティシャル広告の展開はSEO上非推奨
インタースティシャル広告とは、クリックして広告を表示しなければ次のページへと遷移できない、またはページを表示した際にページ内ポップアップが全画面に表示されるタイプの広告を指します。
Googleはこのインタースティシャル広告をUX(ユーザーがデバイスでサイトなどを見たときに得られる体験や経験)上問題があるとしています。マネタイズしようと強引な手法を取り入れてしまうと、結果的にユーザー離れを招いてしまうかもしれません。
マネタイズに失敗するのは「結果が出る前にやめてしまう」から
オウンドメディアのマネタイズに失敗してしまう大きな要因のうちの1つ、それはマネタイズが実現する前にサイト運用を諦めてしまうことです。
オウンドメディアのマネタイズは一見難しそうに見えますが、明確なビジョンを持って目標設定を行ない、長期的な運用スケジュールを立てておけば、初期コストゼロでも始めることができます。
それでもオウンドメディアの運用に失敗してしまう企業が数多く存在するなかで、一番多い失敗の理由が「結果が出る前にやめてしまう」ことなのです。社内リソースが足りないまま運用を続け、最終的には断念してしまう。「オウンドメディアの運用なんて簡単だよ」と思っている人ほど、この負のサイクルに陥ってしまいがちです。
逆にいえば、これまで本記事でご紹介してきたマネタイズするための具体的な集客方法や、押さえておくべきポイントを踏まえたうえでオウンドメディアの運用を行なえば、成果をあげられる確率は格段にアップするということ。
「オウンドメディアをマネタイズさせたい」
「でも、どのような対策を打てばよいのか分からない…」
オウンドメディアのマネタイズについてこのようなお悩みを抱えている方は、ホームページ制作やサイト運用が得意なシスコムの無料相談をぜひご活用くださいね。
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