ビッグデータ活用の鍵 【2021年最新版】AIでデジタルマーケティングを加速させる

ミニナレ編集部

ミニナレ編集部

  • 公開日

この記事は11分ほどで読めます

AI(人工知能)

近年よく耳にするようになったデジタルマーケティング。
WebサイトやEメールに留まらず、SNSやIoTなどさまざまなデジタル技術を活用したマーケティング手法のことをいいます。インターネットが当たり前となった現代では、スマホやIoT機器を通じてユーザーの行動を分析し、一人ひとりに応じてアプローチするデジタルマーケティングが欠かせません。

なかでも今注目されているのは、先進技術である「AI(人工知能)」を活用したマーケティングです。オンラインから得られる情報量が膨大になりつつあるいま、ビッグデータを効率よく分析できるAIの活用が期待されています。

そこで本記事では、デジタルマーケティングにおけるAI活用の事例と、活用のメリット・デメリットなどを解説します。

目次

    そもそもAI(人工知能)で何ができるの?

    そもそもAIとはどのようなものなのでしょうか。
    AIとは、人間の脳が行っている認識や思考、学習などの活動をコンピューターを用いてアウトプットする技術やシステムのことをいいます。

    一定の規則や法則に沿って単純作業を行う「機械学習」とは異なり、コンピューターがデータを自己学習して、人間の脳のように「自分で考える(データを基に予測する)」ことが可能になるのがAIの概念とされています。

    AIデータを整理・分析

    AIはさまざまな分類ができますが、その1つに「特化型のAI」と「汎用型のAI」という概念があります。特化型とは、画像認識や自動運転、将棋、音声・文章の認識など、特定の作業を遂行するAIのことをいいます。一方で汎用型とは、作業を限定せず、人間のようにあらゆる作業を自律的にこなすシステムのことを指します。

    人工知能の分離
    特化型AI 汎用型AI
    人間が行っている特定の作業を自動化することに特化したAI 作業を限定せず、人間のようにあらゆる作業を自律的に考えて行動するAI

    どちらも人間の生活や仕事が大きく変容することに違いありませんが、とくに特化型AIでは、デジタルマーケティングなどのビジネスにおいても活発に活用されています。

    AIは魔法ではなく大量の「今あるデータ」から「未だ見えていないものを予測」できる

    AIの大きな特徴といえるのは、収集した情報に基づいて自己分析をして、「まだ見えていないデータを予測できる」という点です。人間が未だ手を加えていないビッグデータについても、コンピューターが自動的に特徴やパターンを発見することで、これから発生するであろう将来を予測することが可能になります。

    デジタルマーケティングにおいては、多種多様なチャネルから収集したビッグデータをAIが整理・分析して、パターンやルールを弾き出すといった活用ができます。スマートフォンやSNS、IoT機器など、さまざまな場所から情報収集ができるようになったいま、企業が得られるデータも膨大となっています。人が処理する情報量には限界があるほか、大量のデータから新しいパターンを見つけることは容易ではありません。

    そこで、AIの活用が期待されます。AIを活用した解析ツールやシステムを取り入れることで、Webサイトでの集客率や流入経路、売上などのデータをスピーディかつ効率的に分析できるようになります。今後のデジタルマーケティングにおいて、必要不可欠となるかもしれません。

    マーケティング × AIの活用事例

    マーケティング × AI

    AIは、いまやマーケティング活動においてなくてはならないツールとなっています。下記でそれぞれの活用事例を解説します。

    消費者の行動パターン予測

    AIは、消費者の行動パターンを予測できます。例えば「Aの商品をカートに入れたあと、関連性のあるBにも興味がある」という行動や心理を予測することで、消費者の行動を先回りして、適切なタイミングでBの商品を提供するよう施策を講じることができます。

    また、店舗のカメラを用いてタイムリーに性別や年齢を分析し、新規客なのか既存客なのかを判断したうえで対策を講じることで、顧客の育成も可能となります。

    人間の経験や勘に頼るのではなく、複雑化された消費者行動や心理をより高い精度で分析できることは、AIならではの利点といえるでしょう。

    リコメンド

    リコメンドとは、顧客の好みを分析し、顧客ごとに適切な情報を提供するマーケティング手法のことをいいます。昔から活用されている手法ですが、AIの台頭により活用の傾向が増しています。

    過去の購買履歴や閲覧履歴をもとに、好みに応じたおすすめ商品を提示したり、類似商品を購入した情報から関連性の高い商品を提示したりといったリコメンドも可能です。

    消費者の購買意欲を高めることで、「ついで買い」を誘発できるため、客単価の向上も期待できます。さらにデータを蓄積していけば、ユーザーのニーズを正確に読み取ることも可能となるでしょう。

    効果的な広告展開

    AIによる広告展開も注目されています。従来であれば、マーケターがWebサイトなどの効果検証を行いながら、適切な広告を設定するプロセスが必要です。しかし、AIを活用することで、効果の高い広告を自動的に選定し、出稿する配分やチャネル選定などもすべてAIが行なってくれるようになります。

    例えば、楽天市場やAmazonなどのECサイトにて、過去の購入履歴や閲覧履歴を参考に、ユーザーが興味のありそうな広告を自動で選定して出稿するといった活用ができます。消費者一人ひとりに応じた効果的な広告アプローチができるため、同じ広告費用をかけても売上は大きく変わってくるでしょう。

    広告からの流入の場合、チラシやポスターなどでは難しい消費者データの収集も可能になるため、今後の広告戦略にも活かせます。

    カスタマーサポート

    近年、カスタマーサポートにAIを導入している企業が多く見られます。従来では、消費者が商品や契約について疑問が生まれたとき、サイト内の「よくある質問」を確認するか、カスタマーサポートへメールや電話をするのが一般的でした。

    しかし、似たような問い合わせ内容や質問の解答に、膨大な時間や人件費を費やされるケースも少なくありません。消費者を問い合わせに素早く対応できないことで、顧客満足度が下がってしまう可能性もあるでしょう。

    そこで、カスタマーサポートにAIを導入すると、サイト内の「チャットボット」で的確なアンサーを行ったり、コールセンターに問い合わせた時に「AI音声認識」が自動で返答するといった対応が可能になります。

    カスタマーサポートの対応に必要だった人件費やオフィスなどの経費削減が見込めるほか、的確かつすばやい応答が可能になることで、「購入を諦める」「他社サービスに乗り換える」といった機会損失を防ぐことができます。

    ABテスト

    ABテストとは、2つの行動パターンを用意して、それぞれの結果の優劣を測定するマーケティング手法のことをいいます。Web施策において、施策が効果的か否かを判断する際に活用されており、こうしたABテストにもAI活用事例があります。

    膨大な情報をリアルタイムで分析して最適化することで、これまで一定の時間をかけて行なっていたABテストを短時間で行うことができます。また、これまで蓄積した消費者行動や心理に基づくデータを分析することで、効果的なABテストの内容を選定することも可能です。

    「どのような内容でABテストを実施すればよいか分からない」「ABテストに時間がかかっている」という企業は、AIを用いることで時間や労力を削減できて、高度なABテストを実施できるようになります。

    SNS分析

    マーケティングで欠かせないものとなったSNSにも、AIが活用されています。TwitterやFacebook、インスタグムなどに存在する多数の口コミや投稿などのデータをAIが収集して、これらを分析することで、ユーザーの課題解決につなげることができます。

    ユーザーの行動や趣味嗜好を分析して効果的なSNS広告を出稿したり、口コミや投稿からニーズを把握したりと、販売促進や商品の品質向上などにも役立てられます。

    AIというと難しく感じてしまう方もいるかもしれませんが、チャットボットやABテストはツールを活用すれば手軽に導入することができます。

    AIのメリットとデメリットは?AIの得意なこと・苦手なことを正しく理解しよう

    AI

    デジタルマーケティングに有効なAI活用ですが、すべての施策に適しているというわけではありません。AIにも得意なこと、苦手なことがあるため、利用できる施策にはAIを最大限活用して、苦手なことは人間の手を加えることが重要です。ここではAIのメリット・デメリットについて解説します。

    MERIT -メリット-

    • AIは「予測」をすることが得意

    【メリット】 AIは「予測」をすることが得意

    AIは、大量のデータからパターンや判定技術を引き出し、新しいデータを分類する技術に長けています。Webの集客データや商品・サービスの販売状況など、人が処理できる情報量には限界があります。とくに企業規模や事業規模が大きくなると、ステークホルダーも増えていき、この傾向は強くなります。

    こうした場合にAIを活用することで、1人ひとりの作業量をコントロールしつつ、データの収集や分析はAIに任せて、全体の効率化を図れるのです。

    DEMERIT -デメリット-

    • 0から新しい法則を生み出すのが苦手(正確な情報がないと動きにくい)

    【デメリット】 0から新しい法則を生み出すのが苦手(正確な情報がないと動きにくい)

    反対に苦手なことはどのような点でしょうか。1つは、前提条件なしでゼロから新しい法則やアウトプットを導き出すことです。AIは膨大なデータを与えることで初めて学習し、最適解を導き出します。まったくのゼロから生みだすことができない点は、デメリットといえるでしょう。

    また、正解を導き出すことも苦手としています。事前に情報を入れていても、その情報量が十分ではない場合、正解を導き出すことは難しくなります。結果的に求めるアウトプットが出てこなかったり、アウトプットが偏ったりする性質があります。

    しがたって、十分なデータ収集ができるプラットフォームが整っていない環境においては、デジタルマーケティングにAIを活用することが難しくなります。

    AIを使った見込み客の発掘

    AIは、将来的に購買の可能性のある見込み客の獲得にも有効です。ここでは、AIを使った見込み顧客の発掘方法の一例をご紹介します。

    AIで顧客行動を予測してMAでアプローチ

    メリット・デメリットあるAIの活用ですが、主にデジタルマーケティング分野では、MA(マーケティング・オートメーション)ツールとAIを活用した動きが強まっています。

    前述の通り、AIで様々な情報を多く収集し、集めたデータを活用して顧客行動を予測します。一定の顧客行動を把握したところで、MAツールを用いることで、効率的にマーケティング活動を実施できます。

    これまでは、マーケティングにおける多くの業務を人が担っていましたが、MAツールやAIを活用することでより効率的かつ精度の高い施策を講じることができます。
    既存の顧客データ(展示会、名刺、Webお問い合わせ)を最適化し、その属性や行動履歴からサービスへの興味・購買意欲を見極めて、タイムリーなメルマガや有益なコンテンツで精度の高い「見込み顧客」へ育成しする事で、受注件数のアップに繋がっていきます。
    シスコムでは、MAについてのセミナーを開催するなど、導入からサポートまでもフォローしております。

    MA導入・運用支援はこちら

    AIが営業活動を助けてくれる

    AIはさまざまな営業活動を支援します。例えば、営業リストの精査や顧客のアポイント獲得、効果的な文章作成などの作業が挙げられます。人間が長時間苦労して生みだすことも重要ですが、過去のデータに基づいたアウトプットをAIに任せることで、短時間で高度な作業が可能になります。

    営業担当の業務負担を削減したり、顧客一人ひとりに応じて適切なアプローチが可能になることで、売上アップにもつながるでしょう。AIは、営業効率を高めたいという企業にも役立つ技術といえます。

    まとめ

    AIを効果的に活用すれば、デジタルマーケティングや各種営業活動で大きな味方となります。AIは、人間の力だけでは処理できないビッグデータを短時間で分析できるほか、収集したデータに基づき、消費者の行動や心理などを予測することができます。ユーザー一人ひとりに応じたピンポイントなアプローチが可能になるため、企業の売上アップも大いに期待できるでしょう。本記事で紹介した活用事例を参考に、日々のマーケティング施策に取り入れてみてはいかがでしょうか。デジタルマーケティングをお考えの方やMAに興味がある方は無料相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

    ミニナレ編集部

    この記事を書いた人 ミニナレ編集部

    株式会社シスコムの記事コンテンツ編集部です。みなさまに価値のある記事の執筆をモットーに、わかりやすい記事を公開することを心がけています!おもにWeb制作や分析、WebデザインなどWebにまつわるノウハウ記事を執筆しています。Web制作やデジタルマーケティングでお悩みのかたは、お気軽にご相談ください!無料相談はこちらからどうぞ→ホームページ工房

    押していただけると励みになります!

    おすすめ記事

    Webにまつわるご相談はこちらから

    お問い合わせ